<脚本部門> 優秀賞
グループ紹介
グループ名 | 初台保育園「父母の会」 |
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市町村 | 東京都渋谷区 |
代表者名 | 牧野敬子さん |
作品紹介
タイトル | 「その時のママのために~首都直下地震に備えて~」 |
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部門 | 脚本 |
災害種類 | 地震 |
ファイル | 台本作品をもとにドラマ化しました。 NHKラジオ第1より放送されました。 (ブラウザ上で再生できない場合、ファイルをダウンロードして再生してください) |
ドラマの概要
シーン1:12月1日 15:30
初台保育園さくら組の佐藤しんたろうくんのママが赤坂のオフィスで上司と打ち合わせ中に震度6の直下型地震が発生。
シーン2
しんたろうくんママは、徒歩で保育園にいるしんたろうくんを迎えに行く。途中、自宅の方面が近い同僚の目黒くん(富ヶ谷小学校放課後クラブに息子を迎えに行く)と会い一緒に帰宅することに。小学校のPTAあてには、児童の安全情報がメールで届く。途中246沿いのオリンピックでは、自転車を買う人が列を作っている。表参道のソフトバンクショップでは、携帯の充電をする人が沢山いる。コンビニの陳列棚はガラガラになっていることを話しながら歩く。歩き始めて1時間たったころ、しんたろうくんんと同じクラスでご近所のさえこちゃんのママ(妊娠8カ月、勤務地は品川、パパは調布から歩いて帰宅予定であるがお迎は夜遅くなる見込み)からさえこちゃんの引き取りのお願のメールが届く。
シーン3
初台保育園に向かう細い路地を歩く。ところどころコンクリートの塀が崩れている。しんたろうくんとさえこちゃん(以前から緊急時の引き渡し先としてお互いに登録している)を連れて自宅に到着。ガスの安全装置を復旧させてお湯を沸かし、簡単に食事を済ませて、こどもたちは就寝。
深夜2時過ぎ、しんたろうくんのパパとさえちゃんのパパがばったり家の前で遭遇。さえこちゃんを引き渡す。
ドラマの特徴
今後30年間以内にマグニチュード7クラスの首都直下型地震が発生する確率は70%(中央防災会議)。私たちが生きている間には、また大きな地震を経験すると考えて備える必要がある。将来、首都直下型地震が発生した時に、都心の保育園にこどもを預けてい働いている父母に、3月11日に経験したことを活かしてもらいたい、という思いから「父母の会」防災シナリオを作成した。
幼いこどもを保育園に預けて働く私たちは、緊急時のために、日頃からの備えが大事なことは分かっているものの、何から始めればいいのか。このシナリオは、首都直下地震への備えを始める際のベースとなるよう震災発生後の都心の混乱の様子、エピソードをできるだけ多く盛り込んでいる。
講評
3月11日の東日本大震災での実体験をベースに、首都直下地震時の妊娠中の奥さんの長距離帰宅や児童の保育園との引き渡し、父兄間の預かりなど、災害時要援護者に対するメッセージが明確で、夫婦の支え合いが描かれている。ドラマ的なストーリ性には乏しいが、災害時に地域に想定できる事態をきちんと踏まえたうえで、震災時になすべきことが盛り込まれ、見落としがちな視点をフォローした良い作品となっている。長距離の帰宅困難、事実関係の確認など、今後の地域関係者への問題提起につながる題材として、話し合いや防災訓練に活用することや、今後、同じ状況になった際、状況をイメージしながら実際の行動選択に役に立つようなものに発展することを期待したい。