水の自遊人しんすいせんたいアカザ隊

e防災マップコンテスト

第5回

優秀賞(新規視点賞)

グループ紹介

グループ名 水の自遊人しんすいせんたいアカザ隊
市町村 山口県防府市
想定災害 風水害
グループ活動 非防災組織
防災コンテスト参加 継続
受賞歴 <e防災マップ> <防災ラジオドラマ>

マップ名 :「観光・防災幸せますMAP(防府駅から天満宮編)」

受賞マップ作品

グループの概要

 山口県佐波川で活動を始めました。川遊びが好きな子ども達が校区を越えて集まりました。地域の方と活動している時、佐波川が昔暴れ川だったという話を聞きました。自分たちが遊んでいる川が暴れ川!?佐波川の違う一面も学ぼうということで、防災学習を始めました。大学の先生とジオラマを使って浸水の勉強をしたり、地域の防災訓練に浸水してくる水役で参加したり、聴覚障害者さんと防災サインを作ったり、降雨体験機を使ってみたり、砂防堰堤のジオラマを作って堰堤の働きを学んだり、水活動(水質調査・河川清掃)と並行していろいろな角度から防災を考えています。

作品の概要

 2015年の大河ドラマの舞台は『山口』防府にも主人公ゆかりの地があり来年はたくさんの観光客の方がいらっしゃることが予想されます。もしも知らない土地で災害にあってしまったら、どこに逃げればいいのか、災害に役立つものはどこにあるのか?そんなマップがあったらうれしいなと思いマップを作ることにしました。観光客の方に使ってもらいたいけど、観光マップと防災マップ2枚持って歩くのも大変だし、観光施設を目印代わりにして、防災に役立つものを探してもらえるように、1つのマップに入れました。川活動を長くしていること、5年前に土砂災害があった場所が防府天満宮の山を挟んで反対側だったので、洪水ハザードマップを重ねることにしました。春に1回目の街歩きをしました。その時は、個々で手書きマップを書いて、透明シートに危険個所を記入して重ねてみました。夏の2回目の調査では、大きな手書きマップを作りました。そして、最後にeマップにしました。3種類の地図を作ることでより深く地域を知ることができました。観光・防災、観光防災両方に役立つものなど種類分けして、なるべく風景の写った写真を添付することで、今いる場所と比較しやすいようにしました。

作品の特徴

 観光マップと防災マップのコラボレーションが一番のアピールポイントです。マップ名の観光防災幸せますMAPの「幸せます」は、山口県の方言で「幸いです。うれしく思います。助かります。ありがたいです。便利です。」という意味があります。最初は観光客の人が防府に来て困らないようにと思い作りましたが、参加した子どもたちも自分たちの住んでいる地域ではない場所の調査をしたので、観光客と同じ立場ということに気が付きました。観光客だけではなく、市民の人にも使ってもらえると思いました。前回、子育て中のお母さん向けの防災マップを作りました。避難所の目印を皆さんが利用されるであろう小児科にしました。今回は、観光客のみなさんの目印を観光施設にしました。観光施設の中には、防災に役に立つところもたくさんあることもわかりました。5年前の土砂災害は朝に強い雨が降り、その後、お昼にまた強い雨が降りました。天満宮の近くの山も崩れたりしたので、今回は、佐波川洪水ハザードマップを入れました。ハザードマップを重ねたときの子どもたちの感想は、浸からないと思っていた場所が浸かっていたり、避難できる場所によっては浸かる所を通らないといけない場所もあるので、ハザードマップを重ねてみてよかったというものでした。

自由欄

 マップを作ってみての感想は、街中に災害に役立つものが少ない。表示がわかりづらいという意見がありました。施設の人にいきなり取材したりしましたが、みなさんとても親切に対応して下さって、自分たちも観光客の人とかに話しかけられたら、そのように対応したいという感想がありました。街の人の声も入れたマップは自慢です。
 今度は自分の住んでいる地域のマップを作りたいです。

講評

評価できる点

  • 地域の観光資源を防災資源として見直し、地域の「防災」と「観光」の共通資源の存在を認識させる作品である。
  • 年度を重ねた継続的な取り組みとして、昨年度制作した防災ラジオドラマをe防災マップに発展させており、子どもの視点からの取材を通じた各種情報の解説文も充実し、現場感覚が十分に出されている。
  • 防災を目的としていない多様な地域関係者と協力して多数の防災学習会を実施するなど、地域の防災教育活動に意欲的に取り組んでいる。

課題、今後に期待する点

  • 初めて訪れた観光客にもわかりやすい情報提供をめざして、「防災」と「観光」の融合(印刷した際の見栄えを考慮しながら)をすすめてほしい。
  • 観光案内所などで地域の「観光・防災マップ」として配布するなど、成果を活かした活用を期待したい。