栃尾上塩地区天平沖布

e防災マップコンテスト

第3回

優秀賞

グループ紹介

グループ名 栃尾上塩地区天平沖布
市町村 新潟県長岡市
想定災害 水害、土砂災害
グループ構成 地域住民、NPO、大学

マップ名:「上塩・沖布・天平地区 水害対策マップ」

受賞マップ作品

その他のマップ

グループの概要

 昨年(平成23年9月22日)水害に遭った沖布・天平両地区のメンバー。

作品の概要

 この地区(長岡市栃尾地域の上塩 沖布・天平地区)は昨年平成23年9月22日の水害において全壊家屋や床上・床下浸水の大きな被害を出した地区です。
 また、平成16年7月13日の水害や過去にも水害に遭っておりその地形状の特徴から避難が難しい地域でした。そこで詳細紙地図やeコミマップの利用により水害の実態を明らかにして避難に関する考え方を検討しました。

  1. この地区の避難所は地域の小学校になっていますが、それには橋を渡る必要があり、どの時の水害を見てもそれは不可能である。
  2. また、山からの水や破堤による冠水により徒歩及び自動車で逃げることもできなくなる可能性が有る。
  3. 山側は土砂崩れとなり避難することは大きな危険を伴う。

 ということで、時間経過とともに地区外への避難は不可能になります。
実際、昨年の水害のピークは夜中だったため気がついたときは、地区外への避難は不可能になっていました。
そこで今回マップに昨年とそれ以前の水害をまとめ、いったいどのようにして水は地区を襲い、どこに被害が出ているのかを明らかにしました。
水が地区に進入してくる道筋も明らかにしました。この方向には逃げられません。
安全な場所は緑でまとめ、直ぐにわかるようにして有ります。
とにかく人的被害はめったにないのですが、家屋の被害、そして車両の被害が多いのが解りました。

 車両を避難させらる場所も今回はっきりとわかるようにしました。
更に行政の避難準備情報発令段階で移動させればその安全な場所に移せることも明らかになりました。
また、同様に避難準備情報発令段階だと橋も渡ることが可能なことも解り、突発的な救急事態を伴う家族が居る場合はその時点での避難所への避難が確認されました。
そして冠水した水は比較的早く引くことも解り、無理に脱出しないで待つことも大事な防災要素である事が判明しました。

 集中豪雨時に完全に陸の孤島になる地区の防災、極わずかな安全地区をマップを利用して明らかにすることができました。
これで地区の人名・財産の被害をより少なくすることができるようになったものと思われます。

講評

 防災の知見を持つNPO(中間支援団体)が地域住民と協働して作成した水害・土砂対策マップ。中間支援団体が地域住民に2004年新潟豪雨の被災体験を聞き取り、被災した地域住民のみが知りうる地域情報に加え、専門的な集中豪雨における地滑りや土砂崩れに対する避難対策を助言しつつ、より実際的な対策の検討を行っている。検討過程において、地域防災計画上で指定されている避難所のリスクを評価し、住民自ら新たな避難所を指定したことや、人的な被害の想定に加えて車両の被害を想定し車両の避難場所を指定するなど、現状の防災対策の具体的な改善に結びついていることを高く評価した。