特別優秀賞
グループ紹介
グループ名 | 星崎学区連絡協議会 |
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市町村 | 愛知県名古屋市 |
想定災害 | 地震・津波・水害 |
グループ活動 | 防災組織 |
防災コンテスト参加 | 継続 |
受賞歴 | <e防災マップ> <防災ラジオドラマ> |
マップ名:「隣接学区との協力・連携マップ」
グループの概要
東日本大震災は、1959年9月26日この地方を襲った伊勢湾台風を思い起こさせる、衝撃の強い大規模災害でした。 テレビ画面から映し出される津波の脅威は、伊勢湾台風の洪水と重なって思い出されました。津波の水と洪水の水とがダブって昨日のように鮮明によみがえりました。それくらい伊勢湾台風という災害が私たちの心のトラウマになっていたのでしょう。
東日本大震災後、当学区連絡協議会に問い合わせが増えたのは、東海地震が起きたときもこのような津波が押し寄せるのだろうか、といった素朴な疑問であったと記憶しています。
日増しに東日本大震災の悲惨さが伝わり、当学区でも防災活動をしたほうがいいのではないか、との声が高まっていきました。
そんな折、防災マップを作りませんか、といった新聞記事が掲載されました。
その記事はNPO 法人DoChubu さんのものでした。
その後、第2回防災コンテストマップ部門に応募し、最優秀賞を受賞しました。
また、翌年の第3回コンテストラジオドラマ部門においても、最優秀賞を受賞しました。
第2回のコンテストに関わったメンバーは少数になったものの、学区の防災活動には積極的にかかわっており、今回のコンテスト参加するにあたっても助言をたくさんいただきました。
この度、消防団を中核とする地域防災力充実強化に関する法律が施行されたこともあり、また、学区防災安心まちづくり委員会としても、災害時要援護者問題を推進するにあたり、民生委員の方たちにも協力いただいているグループです。
作品の概要
南海トラフ巨大地震が起こると、この4学区は震度6強~7が想定されています。また、液状化現象も大規模に起こるとも言われています。加えて、地震危険度評価では火災延焼危険度マップが公表されており、家屋の倒壊、家電・家具の転倒による下敷きになった場合、阪神・淡路大震災同様、焼死者も多数発生するでしょう。
また、この地域には120分後に、津波も押し寄せてくると言われています。伊勢湾から名古屋港の形状からすると、東日本の破壊するような津波が押し寄せることはないと言われています。
阪神・淡路大震災や東日本大震災を振り返ると、災害関連死や災害時要援護者問題がクローズアップされています。30年以内に約70%の確率で起こると言われる南海トラフ巨大地震に備え、できる限りの災害リスクを排除し、次の世代に繋げていかなければいけないし、私たち大人や親の責任であると考えています。
今回の応募作品は過去の作品に加え、火災延焼危険度をマップ上で表現しました。加えて、隣接3学区の火災延焼危険度マップも、それぞれの消防団とも協力・連携して作成しました。
作品の特徴
災害を防ぐことはできないが、その災害で死なないこと、生き延びるために備えることが「防災」であり、被害を最小限に抑えることが「減災」であると考えます。
そのためには、災害時要援護者といわれる人を近所の人達で助け合う「共助」が重要であることが伝わるよう、活動を通じてマップ作りをしました。要配慮者・避難行動要支援者をマップ上に掲載できたことは画期的なことととらえています。
しかし、災害対策基本法が一部改正されて個人情報が緩やかになったとはいえ、今後の防災活動に課題を残した作品になりました。
自由欄
この度の地区防災計画活動の中で、防災意識は高いが知識のない人が多数いることが判明しました。このことから、今後は消防団員も含め、地区全体で防災のための勉強が必要であると思います。
また、災害時防災協力事業所が地域貢献できるよう、話し合いを進めていこうと考えます。
講評
評価できる点
- 震災時の火災避難を念頭に置いた避難経路の地図として優れている。
- 災害時に隣接小学校区との協力・連携を視野に入れている。
- 火災延焼危険度や災害時要援護者の身体特性を表示するなど、共助の視点を取り入れている。
- 地域の様々な関係者が訓練を行い、そこから得られた課題からさらなる改善を行なっている。
課題、今後に期待する点
- 災害時要援護者の情報共有範囲を明確化するなど、個人情報の保護との両立のための工夫をしてほしい。
- 住民の意識が高まっているので、次は住民の知識を高める活動をしてほしい。
- 完成度が高いので、他の地域に対してそのノウハウを伝授する「伝道師」としての活動に期待したい。