優秀賞
グループ紹介
マップ名:「富田地域防災マップ『とんだマップ』」
グループの概要
これまで自主防災組織がほとんどなかった富田地域ですが、近年の地震に対する危機感の高まりなどを受けて、富田自治会連合のメンバーが中心となり、富田地域全域の防災組織として「富田自治会連合地区防災会」の立ち上げに向けた活動を行うこととなりました。富田自治会連合のメンバーは、市営住宅の建替えを契機とした富田地域のまちづくり活動を市の支援を受けながら行っている「富寿栄住宅建替研究会」にも所属しており、研究会でも今後の地域のまちづくりテーマの1つとして防災が取り上げられていたため、研究会のメンバーと共同で今回の防災マップ作りに取り組むことにしました。また、同時期に防災の授業を行っていた高槻市立富田小学校6年生とも協力してマップ作りを行うこととしました。
作品の概要
現在、災害時の避難路が決められていないため、地域住民が安全に逃げるための道しるべとなる「避難時に重要な道」を作成しました。「避難時に重要な道」を決めるために、災害時に「危ないところ」や「すぐに逃げ込める場所」(初期避難ができる場所)なども盛り込んで地域で共有できるようなマップとしました。
また、防災倉庫、防火水槽・消火栓、防災無線、スーパー・コンビニや医療機関等の場所など、災害発生時に重要と思われるものもマップに記し、地域の住民が知っておけるようにしました。
また、すでに自主防災組織を立ち上げている地域とそこで備蓄さえている備品を周知することで、今後の自治会単位での自主防災組織の立上げの促進を図っています。
作品の特徴
実効的な防災マップにするため、実際に地域を歩いて回り、危険な場所、安全な場所の情報を集めました。富田地域は、木造の古い住宅が密集し、狭くて細い道や行き止まりが多く、避難しにくいため、①住民が使い慣れた道、②救急車等も通れる広い道、③高齢者等も歩きやすい平坦な道の3つの視点で「避難時に重要な道」を決めました。また、避難所等に行くまでに逃げ込める安全な場所として「避難時に逃げ込める場所」も調査しました。
また住民それぞれが日ごろから防災に取り組めるということに気づいてもらえるよう努めています。(例:「よく路上駐車されている場所で、救急車両が通れない、消火栓が使えない」→路上駐車をしないよう心がける、「老朽化した家の瓦がくずれそうになっている」→維持補修を日ごろから行う、「こんなに多くの防災備蓄をしている地域がある」→自分の自治会でも自主防災組織を立上げて地域の防災力を高めよう、など)
自由欄
今後は地域のみなさんがいつでもマップを見られるように、地域の広報誌(ニュースレター)などを活用してe防災マップのアドレスを周知し、今後も地域の危険箇所等の新たな情報を随時マップに追加し、内容の充実を図ります。そして、マップを活用しながら「避難時に重要な道」「危ないところ」等を地域全員が認識し、安全な場所に変えていくための取り組みを地域全員が協力して行えるよう、活動していくつもりです。
講評
評価できる点
- 防災施設として、防災倉庫などの既存の防災施設だけでなくコンビニ、医療機関など、日常から必要な施設も取り入れている。
- 路上駐車を見回るなど住民で実施可能な対策を検討している。
- 他の自治会にも自主防災組織の提言をしている。
- 子供の目線を取り入れたマップづくりに工夫の跡がうかがえる。
- 多くの関係団体と連携し、幅広い人々が防災に関して考えるキッカケとなるような工夫がなされている。
課題、今後に期待する点
- 地域の状況は刻々と変化するため、作成した地図を定期的に見直す機会を作るとともに、防災活動を継続してほしい。
- 検討された対策アイディアなどをマップに表現してほしい。
- 地域の過去の災害について調査してほしい。
- 地域組織の合意形成をさらに充実・発展させてほしい。