岡崎市立常磐東小学校6年生

e防災マップコンテスト

第5回

優秀賞(こども防災賞)

グループ紹介

グループ名 岡崎市常磐東小学校6年生
市町村 愛知県岡崎市
想定災害 地震、風水害、土砂災害
グループ活動 非防災組織
防災コンテスト参加 新規

マップ名 :「子供たちと住民が一緒に考えた、常磐東学区の防災」

受賞マップ作品

その他のマップ

グループの概要

 小規模校なので6年生全体で11名です。常磐東学区は6町からなっていますが、11名の住所は、9名が米河内町、1名が大柳町、1名が新居町で、残りの3町には6年生は一人もいません。とりわけ蔵次町は小学生が一人もいません。したがって町によってかなり偏りがあります。本校の児童は、入学以来ほとんど一緒のメンバーなので気心も知れ、和気あいあいと過ごしています。山に囲まれた自然の中で生活していますが、これまで意外と防災については意識していなく、土砂災害などの危険性についてほとんど知識もありませんでした。今回の防災学習が問題意識を啓発する大きな機会となりました。

作品の概要

 昨年度の2学期より防災学習に取り組んできた成果をまとめました。
通学路の安全点検及び危険な内容を知らせる手作り看板の設置、防災マップ作り、防災倉庫の備品のチェックと使い方の確認、保護者や学区の住民への意識調査、危険個所の改善への働きかけ、緊急時に役立つ公衆電話の設置要求など多岐にわたっています。
 防災マップについては最初掲示用の大きな学区地図に作成したものを、eコミマップで情報をブラッシュアップし、ホームページを開けば誰でも見られるようにしました。
 危険個所については、地域の方が市役所などの関係機関に働きかけてくださり、沢山の箇所が改善されました。公衆電話は5か所に設置していただきました。 このように机上のプランだけでなく、実際にも動いています。
 また最も人口の多い米河内町の役員たちが一緒に参加して、米河内町独自のさらに具体化された防災マップ作りに取り組んでくださいました。
 今後他の5町にも働きかけをして、同じようにさらに具体化されたマップが出来る事を期待しています。

作品の特徴

 本校と米河内町、愛知工業大学地域防災研究センター、NPO法人ドゥチュウブの4者が共同して取り組みました。取り組んだのは昨年度の2学期から今日までで昨年度の5年生が中心となり今に至っています。
 愛知工業大学の大学生と共に通学路の点検活動をしました。模造紙を何枚も使った大きな学区地図に情報を書き込んでいき、次にeコミマップに情報を入力し、よりよい防災マップの作成を目指しました。危険個所だけでなく安全施設や設備も入れるようにしました。危険個所の中でもとりわけ注意を喚起したい個所については、子供独自に考えたゆるキャラに注意の書かれた看板を持たせるというアイディアで、看板を設置しました。
 また、校内にある防災倉庫については何も知らないので、市役所の防災危機管理課の方に来ていただき、備品の説明を受け使い方の体験をさせていただきました。
 保護者や学区住民に意識調査を行い、それらをまとめて分析し、地域の防災訓練の場でも発表させていただき、啓発活動を行いました。地域のお年寄りや地元の有識者からたくさんのお褒めの言葉をいただきました。
 それに先立って、校内でも全校児童や関係者を対象にした、「防災学習発表会」を行いました。
 これらの活動が地域の人々の関心を高め、そのことで行政機関などに働きかけていただき、改善された箇所も多々あります。
 こうして現在の6年生は、地域の防災リーダーとなることを宣言し、これからもさらに一層活動を活発化させていくつもりです。

自由欄

 本校の学区は土砂災害危険区域に指定されている箇所が多く、学区住民のアンケート結果からも40パーセントの方々が強く心配している現状です。しかし避難場所は限られており、絶対的な安全場所はほとんどありません。そうした中でいざ災害が起こった時にどのように避難すればよいかはそれぞれの家庭により違ってくるので、それを一括して防災マップに落とすことの難しさを感じました。今後は、今回作った防災マップ等がベースとなって、各家庭で実情に合った避難計画や対応が望まれるところです。

講評

評価できる点

  • 災害に対する地域の強さと弱さを、子どもの視点からわかりやすく整理した作品である。
  • 子どもの目線で発見された地域の課題が、行政、研究機関、NPOなどの大人によって具体的に改善(公衆電話の設置や、危険箇所への看板の設置など)され、学校防災と地域防災の両方において十分な成果を達成している。
  • 学校を軸に、地域や行政との意見交換を行っており、地域に密着した防災教育の良い手本となっている。

課題、今後に期待する点

  • 対象災害による避難経路の寸断も考慮し、必要に応じて避難経路を重複設定することも検討してほしい。
  • 活動に参加した児童の卒業後も、下級生に情報が引き継がれる学校の継続的な防災教育の仕組みとしての構築を期待したい。
  • 活動による防災意識の変化を調査して今後の活動のステップアップに活かすなど、地域の防災意識を高める活動を期待したい。