横浜市立元街小学校PTA成人教育委員会

e防災マップコンテスト

第4回

優秀賞

グループ紹介

グループ名 横浜市立元街小学校PTA成人教育委員会
市町村 神奈川県横浜市
想定災害 地震(津波・土砂)

マップ名:「元街っ子 防災家族会議のためのマップ」

受賞マップ作品

グループの概要

 平成25年5月、横浜市立元街小学校PTA成人教育委員会にて提案された防災マッププロジェクトチーム(6名)。
 元街小学校学区域内には『元町商店街』『横浜中華街』等、1日平均5万人が訪れる多数の観光スポットが存在する。
 また行政機関や、市内有数のビジネス街、そして古くからの住宅密集地も広がり、湾岸部にはタワーマンションが建ち並ぶ。
 さらに津波被害が予想される港、川に隣接した低地エリア、その先に続く土砂災害の危険性が高い急傾斜地といった複雑な自然環境である。
 このように街を構成する要素は多様である。
 これらを踏まえ『大地震が発生した時に、どのように行動するかを家族で話し合い、決めるためのツール』として、小学校低学年や外国籍の保護者・児童および、外国につながる児童にも理解し易い防災マップを目指して取り組んだ。

作品の概要

 登下校時に大地震が起きた際に、危険を回避しながらその時の状況に見合った避難先へむかうにはどうすべきか?
 子どもと保護者を、まち歩き、防災家族会議、「わが家の防災シミュレーション」へと導くための地図。
 学区域内の都市計画基本図、地域のハザードマップより抜粋した情報と基本通学路をベースに迂回路に良いと思われる道、一時的避難に良い場所を入力した。
 イラストを多用し小学校低学年、外国籍の保護者や児童、および外国につながる児童にもわかり易く、地図に興味が持てるように作成。
 地図上部の「通学路や町を歩いてみよう」とエリア別の注意事項をチェックすることで、自分自身で危険個所や避難場所や避難ルートを発見できるようにした。

作品の特徴

 防災マップに「わが家の防災シミュレーション」をプラスしたこと。
 共有できる防災情報のマップはひとつであるが、各家庭の状況に応じたシミュレーションを加えることにより、独自のオリジナルマップが全児童数分作成可能となる。
 これらを活用しながら自分で考えることが「自分の命は自分で守る」という能力を身につけることにつながる。
 母親の「子供を守りたい」という強い思いから、より多くの児童や保護者に防災の必要性を浸透させることを、何よりも大切に活動を続けてきた。
 出来上がった一つの想定に縛られることなく、さらに考え続けることで、防災意識の維持向上につなげたい。

講評

評価できる点

  • 地域住民や行政と連携を取りながら必要な情報を集め、さらに現地調査や防災まちあるきを行い、それが作品と活動記録に十分表れている。
  • 地域の災害リスクはもちろんのこと、目的の検討、資料収集、現地調査など一連の活動を行う中で、情報過多に陥らないような整理がされている。
  • 指定された避難所だけではなく、避難できる候補の場所も示している点は実用的である。

課題、今後に期待する点

  • 地震と津波の最悪な被害想定を前提にしているが、本マップを活用した防災活動の際は、想定に幅があることを丁寧に説明する必要がある。
  • 今の子どもたちを守ることに加え、長期的なまちづくりにつながる活動が望ましい。
  • 学校を中心に他の地域コミュニティと連携した活動と、子供の視点も取り入れたマップのさらなる更新を期待したい。