<脚本部門> 優秀賞
グループ紹介
グループ名 | 北条市民レポーター編集会議 |
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市町村 | 新潟県柏崎市 |
代表者名 | 吉川 公一さん |
作品紹介
タイトル | 「地域の絆で子供を守る」 |
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部門 | 脚本 |
災害種類 | 地震 |
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ドラマの概要
北条地区は2004年の中越地震の際、柏崎地域としては最も震源に近く、全壊、半壊の建物被害が多く発生した。地域の防災力を問われたコミュニティと総代会は、21の町内会に自主防災会を組織し、要援護者台帳などを整備した。そんな中、中越地震から三年経たずして、再び中越沖地震に見舞われたが、中越地震の被災体験を活かし、次なる災禍に果敢に挑戦した地域として知られるようになった。
そんな北条地区の次なる課題は子供たちである。中越地震は土曜の夕方、中越沖地震は休日の昼間に発生しているため、子供たちの学校での被害は免れた。もし、平日の昼間、授業中に地震が発生したら?と考えると、子供たちの安否確認及び保護者への引き渡しは極めて重要と考え、児童生徒の引き渡し訓練を中心とした全地域参加の防災訓練を平成22年に行った。
ところが「2度あることは3度ある」の例え通り、みたび地震に見舞われる。北条地区の震度は6強、北条小学校では子供たちが授業の2時間目に入ったばかりだった。
避難所については、過去2回の地震は、北条コミュニティと小・中学校の3ヶ所が公設避難所に指定されてきた。しかし、小学校は築40年が経過し、耐震強度に問題があることが判明、公設避難所は耐震化されているコミュニティと中学校だけになったが、この度はコミュニティも建物被害を受けたことから、地域災対本部を中学校に移した。
ドラマの特徴
災害発生時、児童生徒をいかに安全に保護者に引き渡すことができるかが問われており、実際に起こりうる災害規模を想定してドラマが進行しています。
講評
最近発生した二度の震災の際には経験しなかった事態の中で、今後直面する可能性が高くかつ事前に対策を検討すべき事態をテーマとして取り上げていることを評価した。具体的には、経験していない事態として小学生や中学生の就学時の帰宅困難を想定し、学校と地域が協力・連携した児童の保護や父兄や地域コミュニティへの児童の引き渡しなどが実践的に描かれている。さらに、地区の重要な防災拠点としてのコミュニティセンターや小学校の施設の現状の耐震性を考慮し、より耐震性が確保されている中学校に防災拠点を移すなど対策の幅を広げ、シナリオに即した形で実際の防災訓練を行っている点も、地域社会での実践という点からも高く評価した。