受賞作品(2010年度・ドラマ)

防災ラジオドラマコンテスト

第1回

「ドラマ部門」受賞作品

「脚本部門」受賞作品

「防災ラジオドラマ」全体講評

 第1回地域発・防災ラジオドラマコンテストでは、防災に関心のある一般市民の方や自主防災組織の方々のみならず、地域の中高生、大学生、各種事業所の方々、コミュニティFMの関係者、防災NPOの方々など、幅広い方々から作品が寄せられました。

 応募作品の審査は、基本的には、コンテストの募集要項であらかじめ公開していた下記の6つの「評価の視点」に基づいて、提出された作品自体(脚本および音声ファイル)を対象として評価しました。加えて、作品と併せて提出を推奨していたドラマづくりの活動記録やドラマづくりの過程で収集された各種資料なども補完的に評価に用いて、最終的に受賞作品を決定いたしました。

 特に作品と併せて提出された資料からは、専門的な知見を踏まえた地域の具体的な災害リスクの評価や、地域の絆を生かした地域固有の対策のアイデアの検討などが、含まれているものも多くみられ、作品自体には直接表現されていないものの、ドラマづくりの過程の中で、地域の防災力向上に寄与すると考えられるリスクコミュニケーションが行われていたことが確認されました。中には、コンテストの締め切りとの関係で、応募時点では地域の関係者とのリスクコミュニケーションが十分行われていないと思われる応募作品も見られましたが、コンテストへの応募はゴールではなく、今後、応募作品が地域でのリスクコミュニケーションの素材として活用されることが期待されます。

 なお、本コンテストの地域防災力の向上という趣旨から、一般的なドラマとしての出来具合(たとえば、感動を与える演出や声優の演技の優劣、音声の編集技術など)については、主たる評価の視点ではありませんが、聞きやすくかつ地域のより広い方々に興味をもって聞いていただくという視点から、審査の最終段階の総合的な評価の中で若干考慮いたしました。

評価の視点

  1. 地域の災害特性と地域社会の特徴について十分な調査を行い、事実に基づいた内容であること。
  2. 現状の防災対策の取り組み水準や、防災対策上の地域課題について理解されていること。
  3. ドラマを作成する過程に、地域のさまざまな関係者に取材する、資料収集を行うなど、多くの意見や資料が参考にされていること。
  4. 地域の実情に則して、地域固有の具体的な要素がドラマに含まれていること。
  5. 作成中の脚本を、脚本に登場する方や地域の様々な関係者に提供し、コメントや意見をもらって脚本に反映されていること。
  6. 現状の防災体制にとらわれず、地域の防災上の課題や改善の視点が盛り込まれていること。

審査員

名前 所属
大森 一樹
(審査委員長)
  • 映画監督・脚本家
  • 大阪芸術大学教授
今村文彦
  • 東北大学大学院 工学研究科 教授
  • 日本自然災害学会 会長
中川 和之
  • 時事通信社防災リスクマネジメントWeb編集長
  • 静岡大学防災総合センター 客員教授
千野 秀和
  • NHKラジオセンター アナウンサー・ディレクター
関戸 衛
  • 内閣府総合科学技術会議事務局 社会基盤・フロンティア分野担当
南山 力生
  • 文部科学省研究開発局地震・防災研究課
  • 防災科学技術推進室長
長坂 俊成
  • (独)防災科学技術研究所 主任研究員
  • 日本リスク研究学会 会長

 

 

審査委員会の様子