<脚本部門> 最優秀賞
グループ紹介
グループ名 | 鵠沼中学校地区防災連絡協議会 |
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市町村 | 神奈川県藤沢市 |
代表者名 | 大田 哲夫さん |
作品紹介
タイトル | 「避難所は混乱の始まり」 |
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部門 | 脚本 |
災害種類 | 地震 |
ファイル | NHKのご協力をいただき、プロの声優によりラジオドラマ化しました。 NHKラジオ第1放送で平成23年1月17日に放送されました。 |
ドラマの概要
冬の12月深夜2時に震度6強の地震が発生。夜明けと共に住民が避難して来るが、市の施設従事者のみが対応し、運営マニュアルに従って立上げから運営を行おうとするが、マニュアル通りに人は動いてくれない。役所まかせと住民の無関心が避難所の混乱を巻き起こす。全てが問題の発生源と成ってしまう。
ドラマの特徴
鵠沼中学校地区防災協議会では毎月協議を重ね、毎年の訓練・講演会を行い、今年初めて宿泊訓練を実施するまでになった。宿泊訓練で判った事は市の運営マニュアルでは発生する様々な問題解決する事は出来ず、誰が来ても即対応出来るマニュアルの必要性を痛感した。
もし、何も訓練もせず、いきなり避難所へ来る状況ではどうなるか。それをドラマにしてみたかった。
講評
大規模地震発生時の都市郊外の住宅地の被害を具体的に想定し、行政に頼らず住民主体で避難所を運営することの必要性を理解し、その上で避難所運営や地域の住民主体の防災拠点としての対応課題を地域の事情を一番理解している住民の目線で具体的に描いている点を高く評価した。特に、ドラマの主要なテーマとして、避難所運営のマニュアル化の取組の過程であらかじめ地域の備えを検討し共通認識を高めることの重要性と、その一方で、起こりうる災害の不確実性によってすべての事態に対応するマニュアルの作成が困難となり結果的に実際の災害に直面した場合にはマニュアル通りに対応できないこと、さらには、マニュアル通りに対応しようとすることがかえってトラブルを発生させてしまうことがありうるということが盛り込まれている。マニュアルが想定した事態を超えた事態が発生した場合には、地域の絆による臨機応変な対応が大切であるというメッセージが訴えかけられる。提出資料からは、ドラマづくりに先立って、避難所として想定されている中学校の体育館での宿泊体験などを通じた実践的に抽出された課題を題材にシナリオが描かれていることがわかる。