作品活用賞
グループ紹介
グループ名 | 豊橋市障害者福祉会館(さくらピア) |
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市町村 | 愛知県豊橋市 |
グループ活動 | 非防災組織 |
防災コンテスト参加 | 継続 |
受賞歴 | <防災ラジオドラマ> |
作品紹介
タイトル | 「障害者が避難所に来たら」 |
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部門 | 音声 |
災害種類 | 地震 |
ファイル (MP3) |
※ 昨年度、 最優秀賞に輝いた脚本 を元に音声を作成。 |
グループの概要
さくらピアは、地域社会に対する障害者防災の周知啓発活動に積極的に取り組んでいる。平成21年度から毎年開催している「さくらピア避難所体験」では、障害者が指定管理する会館特性を生かした、障害当事者主体の実践的訓練を実施している。計2日間に渡り障害当事者・関係機関・一般参加者が一斉に集い、障害種別ごとの話し合い・夜間の防災訓練・体育館宿泊体験等に取り組むなど、障害当事者と公共施設が軸となり、「障害者の防災を考える場」を提供している。
ドラマの概要
「障害者が避難所にきたら」をテーマにさくらピア避難所体験の中の企画でラジオドラマのシナリオ作りを実施。
内容は、5つのグループで、障害者が一般の避難所にきたらどんな会話が予想されるか?
当事者自らが自身の経験や思いを発信する形でシナリオを作成した。
昨年このコンテストで最優秀賞をいただいたシナリオを豊橋市及び豊橋文化振興財団等との協働により音声化したのがこの作品である。
→ 昨年度の最優秀賞受賞作品紹介ページ「豊橋市障害者福祉会館 (さくらピア)」
ドラマの特徴
地域の避難所には元気な人ばかりではなく障害者や高齢者乳幼児など色々な人が集まる。災害体験は非日常だが、日常生活の延長線上にあり、相手を理解し思いやる気持ちは体験や交流の中から生まれる。音声化して研修などで活用することにより、避難所で実際に起こり得るイメージを捉えやすくしている。
自由欄
新聞やテレビ報道は一時的なもので、その時「新聞に載ったね」で終わらせてはもったいない。その後も資料を作成し、各種の大会などで報告する活動が大切。
本田は、東郷町社会福祉協議会 肢体不自由児父母の会全国大会 肢体不自由児父母の会三河懇親会 全国手話通訳問題研究集会2015三重等でレポートを発表をし、その結果、四日市市と名古屋の手話サークルで手話劇の発表、避難所体験当日に県外や大学研究者や学生の参加、また昨年優秀賞を受賞した愛産大三河高校放送部の参加もあった。
繰り返しの記述になるが、災害体験は非日常だが、避難行動や避難所運営は日常生活の延長線上にある。障害者を持つ人も持たない人も相手の立場を思いやりながら防災対策を進めるために、「分かりやすい、親しみやすい研修教材」としてこのラジオドラマを有効活用したい。
防災対策に取り残されがちな障害者対策も実は必要性を感じて心に思っていてくれている人も多いことも今回の活動で分かってきた。
今後も障害当事者発信の特性を生かした防災活動を継続していきたい。
講評
評価できる点
- 単なる「いい話」ではなく、市民の不安感が表現されているなど、ドラマの内容、クオリティが高く聞き応えがある。
- 災害時に障害者の方々が直面する様々な課題をドラマ仕立てで上手にまとめており、十分な知識がない人にもよく理解できる内容となっている。
課題、今後に期待する点
- 障害者防災の最先端として、全国に普及することを期待したい。
- 既存のシナリオを音声化し、広く聴取の機会を生んだことはすばらしい事であるが、同時に新たな気づきや課題を提起するシナリオの作成を進めるなど可能な限り“新しい作品”をエントリーしていただきたい。
- このドラマが多くの方々に聴かれ、理解されることにより、災害現場で障害者の方々が直面する困難が解消していくことを期待したい。