説明
概要
地域住民自らが参加型で地図を作成し、グループ内や外との情報共有が行えるWebマッピングシステム(Web-GIS)です。当研究所が開発した、地域協働を支える情報基盤「eコミュニティ・プラットフォーム(eコミ)」の主要アプリケーションあり、サイト構築・運営ツールであるeコミグループウェアと一体的に利用することができます。本システムはオープンソースにより無償公開しています。
本システムの特徴
(1) インターネットに接続されたPCから利用可能
e コミマップの利用の為に特別なソフトウェアは必要ありません。インターネットに接続されていれば利用でき、インターネットでウェブぺージを閲覧するための 最初からインストールされたソフトウェアから利用できます。また、地図の操作は主にマウスのクリックでできるため、ワードやエクセル、インターネットを利 用している人であれば、誰でも利用できます。
(2) 地理院地図をはじとして各種背景地図を下敷きに参加型で地図作成が可能
インターネットまたは携帯電話、スマートフォンからログインして、複数のユーザにより、参加型で地図を作成することができます。背景地図は、OpenStreetMap、地理院地図、Googleマップ、基盤地図情報等が利用できます。eコミマップのサイト内に複数のグループを設置し、それぞれが地図を作成し、互いに情報を引用し合うことが可能です。
(3) オープンデータとして公開された外部公開地図をマッシュアップ可能
オープンデータとして公開された地理空間情報を公開・共有することが可能な国際標準(WMS、KML等)に準拠しています。これにより、利用者は外部で公開された地図をマッシュアップすることが可能です。これにより、利用者が参加型で作成した登録情報と、外部から取得した地図を重ね合わせることができるようになりました。
(4) 作成したマップの公開/非公開の設定が可能
外部に公開しないマップは、IDとパスワードにより制限することが可能です。また、グループ内での利用やインターネットによる公開などの詳細な設定が可能であり、利用者の運用・利用方針にあわせた公開レベルの設定が行えます。
(5) 地図印刷機能
地図を使ったワークショップ等が可能なように、任意の範囲を指定した紙地図と同等のデザインの出力が可能です。加えて、A4サイズで印刷した地図をタイル状につなぎあわせて、A0サイズにすることもできます。
(6) 携帯電話やスマートフォンからも利用可能
携帯電話やスマートフォンからも地図を閲覧することが可能です。さらに、GPS機能を使うことで地図上にどこにいるのかを知ることもできます。加えて、携帯電話やスマートフォンから情報の登録や写真の投稿が可能です。
(7) 地図公開機能と外部システム連携のためのAPI
作成した地図は、国際標準の共有方式(WMS, WFS)に準拠した公開が可能です。また、ブログ等に地図を埋め込んで表示することが可能です。加えて、他の情報システムからAPIを使ってアクセスすることが可能です。そのため、各種ウェブシステムとの連携することが容易です。
本システムの想定利用者
本システムの設計・開発においては、以下の利用者及び運用を想定して行っております。
- 市町村等自治体:自治体業務を支援するGISとして運用し、庁内に散在する地図情報や行政情報を一元的に管理・共有し、地域住民にそれらの情報を提供・公開することが可能です。
- 住民組織、市民活動団体、地区自治組織、NPO、コミュニティビジネス等、地域で活動する組織・団体、平時および災害時の地域情報共有・収集ツールとしての利用が可能で、住民が自らの手で簡単に地図情報を作成・公開したり、住民同士や住民と自治体の間で作成した地図情報を共有することが可能です。
- 広域的地区ネットワーク:市町村や都道府県等の行政界をまたがる複数の住民組織や市民活動団体等が、広域的に連携して各種地図を作製したり、また、遠隔の住民組織同士がお互い地図を相互に活用し合たりするツールとして利用できます。
- 自主防災組織等:町内会を基盤とする自主防災組織や住民主体の避難所運営組織が、地域固有の事情や特性を盛り込んだオリジナルのe防災マップを作成して、地域防災力及び災害対応力を高めるためのツールとして利用することができます。
eコミマップの利用形態
【民間企業、NPO、自治体向け】eコミマップをサービスとしてユーザに提供したい
ウェブサーバへインストールして、民間企業やNPO、自治体等がクラウドサービス(SaaS)としてeコミを利用者へ提供することが可能です。GPLに基づいたオープンソースのため、プログラムを改変して商用利用することも可能です。
【市民グループ、自主防災会等】eコミマップを使って地図を作りたい
eコミマップを使って地図を作成したい方は、防災コンテスト開催期間中はコンテストに参加することで利用可能です。また、自治体等と協働で運営している各実証実験サイトに参加することで利用できる場合があります。詳しくは こちらをご覧ください。