ご協力いただいた大変多くの市民の皆様、ありがとうございました。
1 試験(聞こえ具合アンケート)の概要
昨年(平成24年)、流山市では、消防庁主催のJ-ALERT(全国瞬時警報システム)と防災行政無線を使用した「緊急地震速報」の訓練放送(以下、訓練放送という)の実施に併せて、各自治会のご協力を得て、防災行政無線の運用試験と聞こえ具合のアンケートを2回実施しました。
その結果、まず平成24年6月には市内の防災行政無線の音声が約3割の市民にしか届かないことを把握しました。
「平成24年6月28日 全国一斉「緊急地震速報」訓練について」参照
次いで、12月には訓練放送に併せ、前回の試験で特に音声が届かなかった東部地区を対象に、既設スピーカーの音量と向きを調節した改善試験と新型スピーカー(American Technology Corporation製のLRAD360X及びWhelen Engineering Company製のWPS2900)の性能試験を実施し、その成果を確認したところです。
「平成24年12月3日「緊急地震速報」訓練」参照
これらの成果を踏まえ、6月28日金曜日の訓練放送に併せて、市内全域で防災行政無線既設スピーカーの運用改善試験と東部地域で実際の導入を想定した新型スピーカーの性能試験を実施しました。
本取組みには一人でも多くの市民の協力が不可欠であり、自治会を通じて、或いは「広報ながれやま」やホームページにより、アンケートへご協力をお願いしてきました。
2 実施時期 平成25年6月28日金曜日 午前10時15分から25分
3 実施要領
(1)既設スピーカーの運用改善試験
午前10時15分に実施される全国瞬時警報システムを通じた緊急地震速報による訓練に併せ、市全域において音量を調整して試験しました。
(2)新型スピーカーの性能試験
ア LRAD360Xを、東小学校と八木中学校に設置し、午前10時20分に上記訓練と同じ音声を放送しました。
イ WPS2900を東小学校と八木中学校に設置し、午前10時25分に上記訓練と同じ音声を放送します。
(3)聞こえ具合アンケート及び比較
市民の協力を得て上記各試験における聞こえ具合のアンケートを実施し、その結果と過去2回に実施した「全国瞬時警報システムを通じた緊急地震速報による訓練」における聞こえ具合アンケート結果と比較しました。
4 試験結果 (防災行政無線21%聴取率向上、新型スピーカーの性能を確認)
(1) 聞こえ具合アンケートで1,030件の回答
6月28日、市の全域において、防災行政無線の既設スピーカーの運用改善を実施するとともに、新型スピーカーの性能確認の試験を行いました。その際、「聞こえ具合アンケート」を実施したところ、各自治会を始め、多くの市民の協力を得て、1,030件の回答が寄せられました。
(2)既設スピーカーの聴取率21%向上
既設スピーカーの音量を調整した上で、全国瞬時警報システムを通じた緊急地震速報の音声を放送したところ、「良く聞こえ、内容も良く理解できた」と、「やや聞こえづらかったが、内容は何とか理解できた」(以下、「理解可能」とします)との回答の割合は平成24年6月の試験では29%であったのに対し、今回の試験では50%と21%向上し、明らかな改善効果がありました。
(3)新型スピーカーも聴取率の範囲を確認
American Technology Corporation製のLRAD360Xを東小学校に2段重ねで、八木中学校に4段重ねで設置し、またWhelen Engineering Company製のWPS2900を八木中学校に7段重ねで設置、既設スピーカーと同じ音声を放送しました。本試験の既設のスピーカーの聴取率50%と同等の性能を発揮できる範囲は、LRAD360Xの2段重ねで半径500~750mの間まで、4段重ねで半径1,500m弱までであり、WPS2900の7段重ねで半径約1,000mまででした。
「聞こえ具合アンケート集計表」参照
「聞こえ具合マップ」参照
今回の試験の聞こえ具合をマップ化したものです。ファイルを開いて左のレイヤータブを操作していただくと、3回の聞こえ具合を比較することができます。
5 今後の試験予定
・ 既設スピーカーの向きを調整して、聴取率の更なる向上に努めます。
・ 新型スピーカーは市全域で既設のスピーカーの聴取率より20%高い目標を設定しこれを達成できるモデルで試験する予定です。
鈴木が担当しました。
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