e防災マップ全体講評

　これまで開催されてきた防災コンテストの応募および受賞作品に比べ、参加登録から作品応募までの活動が詳細に記録されており、地域の関係者との話し合いや防災まちあるき、避難訓練の実施など、多様な防災活動が確認できる。中には、年度をまたいで継続的に防災活動を展開しているグループや、防災マップをもとに防災ラジオドラマの作成にチャレンジしているグループもみられる。また、小中学校区を単位とした複数コミュニティの協働による防災マップの作成など、地域防災活動に取り組むべき単位も意識し始められている。

　今回のコンテストでは、防災に関連するあらゆる情報を１つの防災マップにまとめるのではなく、明確な利用者や利用目的に応じて、情報を整理した防災マップづくりが見られ始めている。防災対策を検討したうえで必要な情報を選択しマップに掲載する、つまり、これまで多かった「足し算の防災マップづくり」から、「引き算の防災マップづくり」の段階に来ている点を特筆したい。