受賞作品一覧
応募作品数:36作品
最優秀賞
優秀賞
継続発展賞
記録活用賞
地域交流賞
新規視点賞
- 『熊と生きる町』<音声> 富山県立南砺福野高等学校放送局 (富山県南砺市)
- 『ラジオのある夜』<音声> 江戸川女子中学校放送部 (東京都江戸川区)
- 『情報の活かし方』<音声> 崇城大学 SCB放送局 (熊本県熊本市)
第5回
応募作品数:36作品
防災ラジオドラマの趣旨である災害の時間軸に沿った理解(シナリオ化)については、災害直後のいわゆる緊急時対応ではない平時の備えなどをテーマにした作品の応募もありました。ともすれば金太郎飴的な対応になりがちな災害直後の課題についても、地域の事情を反映して参加者が主体的な取り組みを行おうとしている点は、マニュアル対応ではないラジオドラマならではの災害理解が効果を生んでいるものと認められます。これらによって地域の防災上の課題に気づかされる市民も多いのではないかと思われます。
作品の中には地域の多様な主体による意識の差を表現しているものもありました。起きている事態が同じでも、SNSなどを駆使して災害情報を収集し適切な行動を取ろうとする若者グループと、情報端末に疎遠な高齢者との考え方の違いが見事に描かれている作品では、平時の対話が進められれば解決する事態も多くあることを気づかせてくれます。同様に避難所における障がい者の視点を描いた作品は、私たちの社会の多様性を尊重することがいかに大切かを教えてくれています。
修学旅行の最中に遭遇した地震をきっかけにして「観光&防災マップ」という新しいアイディアに至った学生グループの気づきと実践を描いているものなど、若い世代がもつ特有の感性と視点が生かされているものがある一方で、学校での活動の枠を超えて地域との連携を進める部分では未だ十分ではないことがうかがわれます。学生グループには今後は作品作りを通じて、地域の様々な主体との関係を見直すきっかけとされることを期待します。