「ドラマ部門」受賞作品
応募作品数:ドラマ部門17作品
第2回
応募作品数:ドラマ部門17作品
応募作品数:脚本部門17作品
該当なし
今回のコンテストは東日本大震災の発災直後から公募を開始しました。この巨大災害は大津波や原子力災害をも引き起こし、多くの人命を奪い社会全体に暗い影を落としました。こうした状況の中でコンテストに応募いただいた方々は、ドラマを超える現実を目の当たりにして、どこまで想定し、何をテーマとしてシナリオを描くべきか、大いに悩まれたことと思われます。
応募作品のテーマとしては、災害発生時の災害対応を描いたものに加え、地域の防災力を見直す平時の話し合いの過程をドラマにしたものがありました。このドラマづくりを通じた地域防災の取り組みは、住民が主体となり、地域の災害特性を調べ、地域固有の対策を検討し、それらの対策が災害時に実質的に機能するために、地域防災の見直しを図り、かつ、地域社会の協力関係を築いてゆくことを目的としています。
そのためには、行政を含め地域の様々な団体と意見交換を通じて様々な情報や知恵、知見を集め統合することが求められます。関係者との情報交換が充実している団体がある一方で、制作過程で地域との意見交換が全く行われないグループも見受けられました。今年度は、被災地内外を問わず、防災行政の担当者の方々が、災害対応や防災計画、防災対策の抜本的な見直しに追われたこともあり、気軽に相談できる雰囲気ではなかったかもしれません。住民や生活者の目線で地域の防災対策を見直すことが大事になりますが、加えて、科学的な知識や防災対策の専門的な知見も活用することが望まれます。
コンテストでは、できたドラマを活用する取り組みも評価の対象としています。さらに、応募がドラマづくりのゴールではありません。今後、でき たドラマを活用することで、地域の課題や資源を洗い出し、また、地域のより多くの関係者を巻き込み災害時に役立つ絆づくりが促進されることが期待されます。特に、生徒や学生の応募者の方々は、ドラマづくりを楽しんでいただき、その上で、学校内に留まらず、ドラマづくりの過程で、または、出来たドラマを活用して地域と積極的にかかわり、地域の防災をリードできれば、とても素敵なことだと思われます。
応募作品の中には、事実関係を丹念に調べて一見すると防災マニュアルのような作品もありました。 しかし、ドラマは正解を記述したマニュアルではありませんので、敢えて問題提起につながるような矛盾を孕む内容を描くことで、より地域の防災意識が啓発されるといったドラマづくりも期待されます。地域防災の取り組みはまじめな取り組みですが、感動したり楽しくないと誰も聞いてくれません。このまじめさと楽しさのバランスをどうとるかがみなさんの腕の見せ所です。今後とも、ぜひ、新たなドラマづくりにチャレンジしてください。
名前 | 所属 |
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大森 一樹 (審査委員長) |
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中川 和之 |
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千野 秀和 |
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小山 将史 |
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南山 力生 |
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長坂 俊成 |
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本コンテストの審査委員長の大森一樹監督に、ドラマづくりの醍醐味や意義、第2回コンテストの応募作品への期待など、お話しいただきました。